生後6ヶ月 赤ちゃんの発達と関わり方

生後6ヶ月の赤ちゃには、乳歯が生え始める子もいたり、不安定ながらもお座りが出来はじめたり、嬉しい成長がたくさん見られる時期です。一層運動機能が発達する時期ですので、効果的な環境を整えて赤ちゃんの自由な探索を後押ししてあげてくださいね。

ここでは、発達心理学に基づいた生まれたての赤ちゃんの発達と、具体的関わりかたををご紹介します。

出典:写真AC

生後6ヶ月の赤ちゃんの特徴

寝返りも上手に出来るようになって、早くから出来ていた子は、自由に右へ左へと移動するようになったいる頃。そしていよいよ3次元の世界へ突入です。

おすわり頑張るよ

寝返りが出来るようになると、背中から腰もしっかりしてきます。体を支えてあげると、両手を前について少しだけおすわりができるようになる赤ちゃんもいます。
これまで、2次元の平面だった眺めは、「高さ」「奥行」が加わり、ものを三次元的に認識できるようになります。こうして遊びの幅も認知の幅も一気に広がります。

おすわりを始めたばかりは不安定で、突然バランスをくずして転んだりすることも。
転んだ拍子におでこをぶつけてたんこぶをつくることもありますので、安全な場所でそばについていてあげて下さいね。
また、テーブルやテレビボードの角など今一度危険な物はないか確認してみて下さい。

しかし、頭をふらふらさせながら、頑張っておすわりしている姿はなんとも愛らしいですよね。

乳歯が生え始める

早ければこの頃から乳歯が生え始める子もいるようです。歯が生える少し前から口をブーブーいわせたり、ヨダレが急に増えたり、しきりに歯ぐきを触る赤ちゃんも。むず痒くて中には不機嫌になったりする赤ちゃんもいるようです。
このような様子が見られたら、乳歯が生えてくるサインかもしれません。歯ぐきをかゆがる時は歯固めを与えるのも有効的です。

乳歯は全部で20本あります。生後6ヶ月頃から生え始め、3歳頃までに生えそろいます。(ちなみに永久歯は全部で28本(親知らずを入れると32本)あります。)最初は下の前歯(図の下の黄色の部分)から生えることが多いですが、必ずではなく、中には上から生える子もいます。また、生える時期もさまざまで、とても早い子では生後3~4ヶ月から、遅い子では1歳を過ぎて初めて生えてくる子もいます。個人差が大きいものなので、生えてこないからと焦ることはありません。

乳歯は永久歯に比べて表面のエナメル質が弱く、ムシ歯になると進行が速いという特徴があるようです。虫歯の治療は子どもにとっても、ママにとっても辛いもの。歯が生え始めたらしっかり予防することが大切ですね。

あいにく虫歯になってしまて「乳歯は生え変わるから虫歯になっても大丈夫」とほっておかないでくださいね。乳歯のムシ歯を放っておくと乳歯の下に待機する永久歯の状態やあごの成長にも悪影響があるようです。永久歯は一生物です。気をつけてあげたいですね。

喃語は基準喃語へ

生後4ヶ月頃から始まった不完全喃語も、この頃になると子音+母音の基準喃語へと移行していきます。(「んま」「まんま」「ばぶー」など)

口をパクパクさせて何か言いたそうにしていたら、赤ちゃんが見えるように、近づいてゆっくりと「まんま」などといって真似出来るようにしてあげてみて下さいね。

ママからの免疫がきれる頃

生後6ヶ月くらいまでは、ママからへその緒を通じてもらった免疫(抗体)があり守られていますが、それを過ぎるとしだいに免疫がなくなり病気などによくかかりやすくなります。
昼は元気だったのに、夜になって急に熱が出てぐったり・・・なんてことも。慌てないように、夜間や休日に受診できる医療機関を調べておきましょう。

 ところで、最近は超・清潔志向の世の中で、除菌グッズも沢山でています。ママも大事な赤ちゃんを病気にさせまいと、頑張って清潔に保つように努力を惜しみませんが、この子どもを病気にさせまいと除菌を徹底することが、かえって逆効果になるのです。
除菌グッズを使うと病原菌ばかりでなく、有害な病原菌の侵入や繁殖を阻止している常在菌まで殺してしまうのです。

基本的に、身の回りの雑菌に怖い菌はいないそうです。
赤ちゃんは生まれてから6ヶ月の間に、自分の指を吸ったり、おもちゃを舐めたりして少しずつ雑菌を体内に取り込み免疫力を高めています。

この免疫力、7割は腸で作られているそうです。
そして、その種類は遅くとも5歳までに決まってしまうそうです!

実は腸内細菌の種類は、だいたい生後1年、遅くとも5歳くらいまでに決まってしまいます。その時期までに子どもをどんな環境で育てたかによって種類が決まるんです。そこら中をハイハイさせて、いろんな人とふれあって、外遊びもたくさんした子の方が腸内細菌の種類は多く、清潔過ぎる環境で育った子は腸内細菌が少なく、免疫力が低い傾向にあります。 出典:いこーよ


しかし、だからといって不潔極まりないのは論外ですよ!

そして、赤ちゃんは病気をしながら徐々に免疫をつけて強くなっていくもの、少々具合が悪くなっても「免疫ができる」くらいに思ってどっしり構えて。
具合が悪くなったときに大事なのが、いつもの赤ちゃんの様子をママが知っておくことです。
 「いつもと何か違う」と察知できるのは一番近くでいるママです。
病院にかかるときは、赤ちゃんの平熱や、いつから具合が悪いか、元気でいるときからの経過と、いつもと何が違っているかをママがしっかり整理したうえで、医師に詳しく説明しましょう。

そして病気を防ぐ助けになる、ワクチン(予防接種)も計画的に接種して、大事な赤ちゃんを適切に守ってあげて下さいね。

発育・発達の目安

男の子 身長 67.9cm 体重 8,000㌘
女の子 身長 66.5cm 体重 7,470㌘

視力 0.06(6ヶ月から8ヶ月は視力の発達が著しい時期)

聴力 音や声がしたほうを意図的に見るようになる
    (聴覚と視覚が発達し双方の連動ができるようになる)

ここに表した、特徴や発育・発達はあくまで目安であり、成長の度合いはひとりひとり大きく異なります。参考程度にとどめ、あまり気になる時はかかりつけ医などに相談してみましょう。

生後6ヶ月の赤ちゃんとの遊び

乳児期(0歳~1歳半ころ)の発達課題は基本的信頼感です。そして対極にあるのが不信感です。
詳しくはこちら→基本的信頼感/不信感

生後6ヶ月は生活リズムがほぼ整い、起きている時間も長くなります。生活にメリハリをつけれるよう、遊ぶ時間は思いっきり体を動かして遊べるよう働きかけて。

スキンシップ&体遊び

生後6ヶ月ごろの赤ちゃんは知恵の発達が目覚ましく、遊びながらコミュニケーションができることが広がってきます。
遊びや生活を通して身の回りの物の名前、動作などを語りかけて、語彙のインプットも積極的に行っていきましょう。
また、おすわりも上手になってきたら、座ってじっくり遊べる遊びも取り入れて。

ここでは、いくつかのスキンシップと体遊びをご紹介します。ひとつの遊びでもバリエーションはいろいろあります。それぞれの親子にあった方法で取り入れて、楽しく遊んで下さいね。

  1. いないいないばあ・・・同じことを何回も繰り返すことを喜ぶ時期。
    「いないいないばあ」もいろんなバージョンでやってみて。
       (神経回路を鍛える・物の永続性の獲得の確認・想像力・感情や情緒の発達)
    ポイント・・・神経回路は、1日に同じ働きかけを何度も繰り返すほど、しっかり
           してくるので、何回か繰り返したら違うバージョンもやってみるという
           風にやってみて。
    バリエ・・・物を布でかくして「いないいないばあ」
          ママがカーテンに隠れて「いないいないばあ」
          赤ちゃんの顔に布をかぶせて「いないいないばあ」
        (このとき布を自分ではらいのけることができるようになるのもこの時期です)
    物の永続性の獲得とは、視界から消えても、人や物などの対象が存在し続けているという概念であり、そのことを認識する能力のことです。
  2. 積み木遊び・・・手がもみじに開くころ、親指以外を添えて握れるように。このころから少しずつ積み木遊びも取り入れてみて。
    お勉強が始まると算数などで出てくる図形は教科書での取り組みも少なく、また机上ではなかなか理解できないものです。積み木などを使って今から実際に体感することが大事です。
    ポイント:ママが積み上げてみたり、並べてみたり、いろいろな遊び方を誘導して
         あげて。(空間認知能力)
  3. ボールころころ・・・柔らかいボールや、タオルを丸めてボールのようにして、ゆっくり進行方向や、反対の方向へ転がしてみて。方向転換の際、つま先で蹴るという行動をたくさんすることが、その後のはいはいや歩行に向けて重要です。(ずりばい移行への誘導)
    ポイント・・・上手にキック出来ないときは、ママが赤ちゃんの足の裏に手を添えて、
           ママの手をキックするようにしてあげて。
    バリエ・・・投げてみる
          「ちょーだい」「どうぞ」などやりとりを楽しむ
  4. その他・・・絵本の読み聞かせ、お散歩、リズム遊びなど引き続き取り入れて下さいね。

まとめ

このころの赤ちゃんは、なんでも口に入れたがります。そのため誤飲の多い時期です。トイレットペーパーの芯より小さなものは飲み込む可能性があります。再度注意してあげましょうね。

そして、ハーフバースデーを迎える生後6ヶ月、気がつけば赤ちゃんもずっしり重たくなってきましたね。今までお世話で一生懸命で、慌ただしく毎日を過ごしていたママも、この機会にゆっくり振り返ってみるのも良いかもしれませんね。
ママも自分へのご褒美も用意して、また明日からも頑張りましょうね!