生後5ヶ月 赤ちゃんの発達と関わり方

生後5ヶ月は赤ちゃんが新しいことを始めたり、その準備をし出したりする時期。ママは赤ちゃんの成長を実感するころですね。赤ちゃんのチャレンジを見守りつつ成長を上手にサポートしてあげましょう。

ここでは、発達心理学に基づいた生まれたての赤ちゃんの発達と、具体的関わりかたををご紹介します。

出典:写真AC

生後5ヶ月の赤ちゃんの特徴

生後5ヶ月は早い子では寝返りができるようになったり、離乳食を始めたりする時期です。ママは赤ちゃんの成長を実感する反面心配事も増えるように。

寝返りが出来るようになる子も

赤ちゃんの運動機能の発達は、頭から体の下の方向に向かって進んでいきます。目、首、肩、腕が動かせるようになり、それが、背中・腰に達するとできるようになるのが、寝返りです。

最初の寝返りは、おもちゃや声など、興味のあるものにつられて腰の重心がどちらかに傾き、偶然、上半身が回転して起こります。こうした偶然が何回か重なると、赤ちゃんはコツを覚えて、寝返りができるようになるのです。

このようにして5ヶ月を過ぎたころには、寝返りをはじめる赤ちゃんが増えてきます。腰をひねることができるようになり、体を左右に動かすようになったら、もうすぐです。
あと一歩でなかなか出来ないときには、足をばたつかせて、体を横向きになった時に、そっと手を添えて背中を押してあげるとよいでしょう。
赤ちゃんも動く楽しさがわかってきて、寝返りの練習になります。
でも、決して無理強いはしないで。うつぶせが嫌いな子もいます。

寝返りができるようになっても、最初のうちは、うつぶせから元に戻れず、ウーンウーンとジタバタしてママを呼ぶ子も。様子を見て、あおむけに戻してあげましょう。 

そして寝返りの瞬間は突然やってきます。目を離している間に、うつぶせになっていてびっくりなんてこともあるかも。いつ寝返りができるようになっても危なくないように、赤ちゃんの目線になって安全対策を忘れずに、以下のことに注意して下さい。

  • 柔らかすぎる寝具は避ける(顔が埋もれる恐れがあります)
  • 枕元にタオルなど、窒息の原因となるような物は置かない
  • 周囲にコンセントや、床に落ちているボタン、クリップなど危険な物がないか確認

また、なかなか寝返りをしない赤ちゃんは、赤ちゃん自身の発達の問題ではなく、別の要因によって寝返りが遅くなっている可能性もあります。たとえば、布団がやわらかすぎる、寝返るスペースがない、厚着や窮屈な服で動きにくいなどは、寝返りをしにくくする主な要素となります。
確認してみて、赤ちゃんの自由な行動を確保してあげて下さいね。

離乳食開始の見極めはー離乳食初期ゴックン期(1回食)

原始反射の「押し出し反射」が消失したら、そろそろ離乳食開始の準備ができたサインです。
押し出し反射とは、母乳やミルク以外の物が口に入ってきたときに、舌で口の外へ押し出す原始反射で、この反射が残っていると離乳食も押し出されてしまいます。

離乳開始の目安として、スプーンを口に当てても押し出すことが少なくなる、よだれの量が増える、大人が食べていると興味を示す、支えてやると座れるなどの様子が見られたらスタートのサイン。

まずは、1日5回の授乳時間のうち1回を離乳食の時間に充てましょう。
赤ちゃんの機嫌がよく、余裕がある時間帯でOKですが、アレルギー反応が出たときすぐ受診できるよう、小児科の診察時間内にすると安心です。

最初は、食物に対するアレルギーなど、赤ちゃんの反応を確かめるために、「1日1品1さじ」でスタートしましょう。2~3日続けて特に問題がなければ、別のものも与えてみましょう。
形状は、初めはできるだけなめらかにすりつぶして汁気を多くしておき、慣れて来たらペースト状にします。
食材は米やパン、じゃがいもなどの炭水化物からスタートし、これに慣れてきたら、アクや苦みが少ないにんじん、かぼちゃ、かぶなどの野菜類を与えます。
さらに慣れたら、豆腐や白身魚などのタンパク質を与えてみます。


慣れない間はうまくいかないこともありますが、赤ちゃんの様子を見ながらゆっくり進めましょう。この時期の離乳食は、母乳やミルク以外のものをゴックンと飲み込む練習をするためのもの。栄養の大半はおっぱい・ミルクでとっていますから、栄養バランスなどは気にせず、嫌がったら無理やりせずに楽しめるように進めてあげましょう。離乳食を始めてからも、ミルクや母乳はほしがるだけ与えて大丈夫です。


忙しいときは、市販のベビーフードを活用して。栄養バランスも塩分も計算されていて、種類も豊富にそろっているので、上手に取り入れましょう。 
また、固さがわからなくなったときに参考にもなり、何かと便利です。
しかし市販のベビーフードもいろいろな会社から様々なものがでています。「このメーカーのものはよく食べるけど、こちらのメーカーのものは全然食べてくれない」というのもよくあります。いざ必要なとき慌てないように、事前に試しておくのも大事です。


なお、離乳食スタートが早すぎると、赤ちゃんの未熟な胃腸に負担がかかる心配があり、逆に遅すぎると、鉄分が不足して貧血になるなどの心配も言われています。
様子をよく観察してベストなタイミングを見つけてあげて下さいね。

人見知りの始まり?

生後5ヶ月くらいになると、早い子では人見知りが始まる子もいます。科学技術振興機構によると、赤ちゃんの「人見知り」行動は、単なる怖がりではなく「近づきたいけど怖い」心の葛藤であるという研究結果がでております。(人見知りが強い赤ちゃんほど、「怖がり」という気質が強い一方で、「接近」という気質も強い)

そして、人見知りの弱い赤ちゃんよりも、強い赤ちゃんの方が相手の「目」の部分を長い時間見ることが分かったそうです。
人見知りの強い赤ちゃんはコミュニケーションにためらいを覚えるため「相手に近づきたいけど怖い」という、相反する行動の狭間で思わず相手の目を凝視しつつも、相手に見られ続けると目をそらしてしまう。逆に、相手が目をそらすと、相手をよく観察する。人見知りの強い赤ちゃんは、このような行動をしていることが示されたそうです。

確かに、大人でも知らない人と目があえば「ドキッ」としますよね。
人見知りが強い赤ちゃんには、周りは無理に抱っこしたり接触することは、赤ちゃんに負担がかかりすぎます。まずは慣れてから、自然と接近出来るようにしてあげてくださいね。

ママは「今人見知りで、目が合うと誰にでも泣いちゃうんです」などと説明して、相手にもフォローを入れつつ、「この人はとっても優しい人だから大丈夫だよ」と赤ちゃんにもあせらず、声かけしてあげましょう。

発育・発達の目安

男の子 身長 66.2cm 体重 7,660㌘
女の子 身長 64.9cm 体重 7,140㌘

視力 0.05(物の輪郭がぼんやりわかるように)

聴力 音の聞き分けができるようになり、生活音にはあまり反応しなくなる

 

ここに表した、特徴や発育・発達はあくまで目安であり、成長の度合いはひとりひとり大きく異なります。参考程度にとどめ、あまり気になる時はかかりつけ医などに相談してみましょう。

生後5ヶ月の赤ちゃんとの遊び

乳児期(0歳~1歳半ころ)の発達課題は基本的信頼感です。そして対極にあるのが不信感です。
詳しくはこちら→基本的信頼感/不信感

生後5ヶ月ごろからは、自分の動きたい、触りたいという欲望から、どんどん体を動かして発達をしていく時期です。

スキンシップ&体遊び

生後5ヶ月たつと、首もしっかりしてきて、腹ばいにすると頭と肩を持ち上げたり手足をさかんに動かしたりするようになります。
運動量も多くなり、手足を動かすなどの簡単な「体遊び」を通して運動能力や反射神経の発達のサポートにもなりますので、脳への刺激を促して下さいね。

この時期はママ・パパとの触れ合いも大好きですが、プレイジムなどのおもちゃを触ったりして一人で遊ぶことも楽しむように。それはじっくりと自分の世界に入って脳を活性化している最中。じっと見守ってあげることが大切です。

ここでは、いくつかのスキンシップと体遊びをご紹介します。ひとつの遊びでもバリエーションはいろいろあります。それぞれの親子にあった方法で取り入れて、楽しく遊んで下さいね。

  1. お馬パカパカ・・・あぐらをかいて、片方のふとももの上に赤ちゃんの体を支えて座らせます。「お馬さんパカパカ」といいながら、ひざを上げたり下げたりしてみましょう。
    ポイント:首がすわってから、あまり激しくゆすぶらないように(バランス感覚を養う)
    バリエ:「電車ですガタンゴトン」「メリーゴーランド」などいろいろな乗り物に
        例えてみて。
  2. たかいたかい・・・赤ちゃんの両脇からしっかり支えて、ゆっくり「たかいたかい」と腕をあげる。
    ポイント:首がすわってから、あまり早く上げないように(バランス感覚を養う)
  3. にらめっこ・・・「にらめっこしましょ、アップップー」といって赤ちゃんとにらめっこ、赤ちゃんが笑ったら「○○ちゃんのまけー」などやりとりを楽しんで。(コミュニケーションの発達)
  4. その他・・・絵本の読み聞かせ、お散歩、リズム遊びなど引き続き取り入れて下さいね。

まとめ

これまで猛スピードで成長してきた赤ちゃん。生後5ヶ月くらいから成長のペースは少しゆっくりに、体重の増加もゆるやかになります。しかし、生活の中では、新しいことを始めたり、その準備をし出したりする時期。ママやパパにとっては我が子の日々の成長を見るのが楽しい時期でもあります。赤ちゃんの成長を上手にサポートして

本格的に生活リズムを整える時期。そのためには、まずママやパパが早寝早起きをしてきちんと食事をとり、時間になったら赤ちゃんをお散歩に連れ出すなど、ほぼ毎日同じ時間に同じ生活をすることが大切です。そうすることで、起床、授乳、昼寝、おふろ、就寝などの一日の流れが自然に整ってきます。「朝だよー」などと声かけしながら、パジャマから着替えたり、顔をふいたりする習慣をつけると、赤ちゃんにも一日の始まりがわかってくるでしょう。

寝返りなどはいきなりできることもまります。まだ出来ないと思い込まず、危険と思われる物はあらかじめ排除して、赤ちゃんのチャレンジを見守って下さいね。