生後3ヶ月 赤ちゃんの発達と関わり方

生後3ヶ月の赤ちゃんは、生まれた時のほぼ2倍の体重にまで成長し、体つきはますますしっかりしてきます。「原始反射」が少しずつ消えていって、赤ちゃんの意思による運動が機能するようになります。

ここでは、発達心理学に基づいた生まれたての赤ちゃんの発達と、具体的関わりかたををご紹介します。

 

出典:写真AC

生後3ヶ月の赤ちゃんの特徴

生後3ヶ月の赤ちゃんは、あやされると声を出して笑うなど、少しずつコミュニケーションがとりやすくなってきます。

「原始反射」も消え始め、赤ちゃんの意思による感情表現ができるようになってきます。

首がすわったかな

生後3ヶ月くらいになると、徐々に首がすわり始めます。首がすわると支えてあげる必要がなくなり、縦抱っこやおんぶをすることもできるようになるので、赤ちゃんも違う目線になり新しい刺激にワクワクします。赤ちゃんを抱えたりおんぶしたりしながら家事をすることができるので、ママもお世話がだいぶ楽になりますね。

ただし、生後3ヶ月を過ぎたから首がすわっていると思い込むのは危険です。赤ちゃんの成長には個人差があるので、気を許さず、赤ちゃんの様子を見ながら身体を支えてあげるようにしましょう。

3ヶ月あたりで首がすわる子もいれば少し遅れる子もいます。首がすわったと思い込んで扱うと、首が変な形に曲がってしまう恐れもあります。
3~4ヶ月健診時に見てもらい、首の座りを確認しましょう。

おててさん、こんにちは

生後3ヶ月になると、自分の手をじっと見つめている赤ちゃんを見かけることがあります。
赤ちゃんが自分の手をじっと見つめる行為はハンドリガード(hand regard)と呼ばれるもので直訳すると「じっと手を見る」ことです。物を見る力と体を動かせる力がついてきたからできる動作です。
ハンドリガードは、赤ちゃんが自らの手を認識したときに起こるしぐさです。
赤ちゃんはある段階で「あれ、目の前のモノが動くと、自分の体がモゾモゾするなあ」というように、手の動きと身体感覚がリンクしていることに気が付きます。そして舐めてみる。何度もしていると「あ、なめるとこうなるぞ」というのがわかってきて、その手は「自分の体の一部」であり、動かしたいように動かせるものだと認識していきます。

見て→動かして→なめて→味わって

なにげなく見えるこの行為ですが、実はこれは脳の中の4つの機能を一緒に働かせて、違う感覚を統合しているのです。また、唇や舌で手をなめている感じがしますし、手の方ではなめられている感じがする。「なめている」感覚と「なめられている」感覚これも脳の違う場所が刺激をうけています。
ハンドリガードは、赤ちゃんが発達していく中でのステップのひとつであり、だいたい生後3~4ヶ月頃に見られるといわれています。しかし始まる月齢には個人差がありますし、ハンドリガード自体をしない子もいるようです。また、時期も短く1ヶ月~3ヶ月ほどでママの見ていないときにしていて、気がつかないまま時期が過ぎている可能性もあります。

社会的微笑のはじまり

生後生後3ヶ月くらいになると、あやすと笑う「社会的微笑」が見られるようになり、育児が楽しくなってきますね。

生後間もなくの微笑みは「新生児微笑」と呼ばれ、生理的に反射で起きているものなので、感情は伴いません。
一説には笑顔のような表情をつくることで、「こんなかわいい、わたし(ぼく)をほっとけないでしょ?」と、どんな状況であっても自分を守ってもらえるようにしている自衛本能の1つとも言われています。

一方、社会的微笑というのは、人の顔を見たり、あやしてくれたりといった、何らかの刺激を与えられたことに対して、笑顔になるということです。
目の力がついてきたサインでもあります。
しかしまだ、心理学的に楽しいとか面白いとかいった感情が笑顔に込められているわけではありませんが、応答的に応えることにより、赤ちゃんの中で表情を変化させれば、周囲の人とコミニケーションが取れるということが分かり始め、社会性が芽生えてきているということの表れです。

発育・発達の目安

男の子 身長 62.0cm 体重 6,630㌘
女の子 身長 60.7cm 体重 6,150㌘

視力 0.04(両眼固視がある程度可能。目の動きもスムーズに)

聴力 「音」として認識しはじめる(ママの呼びかけに応えたりする)

 

ここに表した、特徴や発育・発達はあくまで目安であり、成長の度合いはひとりひとり大きく異なります。参考程度にとどめ、あまり気になる時はかかりつけ医などに相談してみましょう。

生後3ヶ月の赤ちゃんとの遊び

乳児期(0歳~1歳半ころ)の発達課題は基本的信頼感です。そして対極にあるのが不信感です。
詳しくはこちら→基本的信頼感/不信感

生後3ヶ月たつと、黄昏なき等に悩んでいるママもいるかもしれません、いつまでも続くわけではないと気持ちを切り替えて、ゆったりとした気持ちでアタッチメント(愛着)形成していって下さいね。

スキンシップ&体遊び

この月齢は徐々に首がすわりはじめ、腹ばいにさせると頭を持ち上げられる子も出てくるので、運動量が多くなってきます。手足を動かすなどの簡単な「体遊び」を通して運動能力や反射神経の発達のサポートにもなり、脳への刺激を促して下さいね。

ここでは、いくつかのスキンシップと体遊びをご紹介します。ひとつの遊びでもバリエーションはいろいろあります。それぞれの親子にあった方法で取り入れて、楽しく遊んで下さいね。

  1. 変顔選手権・・・頬をふくらませたり、舌をべぇ~と出したりして顔を赤ちゃんに近づけて、いろいろな表情を見せてあげましょう。(社会的微笑が始まってきたら、どんどん刺激してあげて)
    ポイント:赤ちゃんが反応してくれたら、喜んであげて褒めてあげましょう。

  2. 綱引きわっしょい!・・・ガーゼハンカチなどやわらかい素材の生地の端を赤ちゃんの手が届くか届かないかくらいのところまで近づけ、ぎゅっと握らせてあげましょう。
    反対側をママが持って引いたり弱めたりして遊んでみて。
    ポイント:楽しい声かけとともにやってみて下さい。
    バリエ:柔らかい素材のにぎにぎも渡してみて、手と指の力をつけてあげましょう。

  3. 手足体操・・・赤ちゃんの両手を持って、優しく引っ張らずに左右に伸ばす。
    足首に手を添え「イチ、ニ」と声を掛けながら足を優しく伸ばしたり曲げたりする。
    ポイント:ダイナミックな動きはいけませんが、ゆっくりやさしく動かしてあげると
         喜びます。体の動きに興味を持ち、自分の体の部位への認識にもつながり
         ます。
  4. お腹さん聞こえますか?・・・赤ちゃんのお腹に口を当てて「もしもし~」とか「ぶぶぶぶぶ~」など声を出す。(ママの声の振動が脳に伝わり良い刺激となる)

  5. その他・・・絵本の読み聞かせ、お散歩、リズム遊びなど引き続き取り入れて下さいね。

まとめ

どんどん活動的になってくるこの時期は、背中をクネクネしたりして思わぬ所まで移動していることもあります。
何でも口に入れて確認する時期、まだ寝ているだけだからと油断せず、今一度周りに小さなボタンや電池等ないか、また上から落ちてくる物はないか確認してみて下さい。