生後1ヶ月 赤ちゃんの発達と関わりかた

赤ちゃんの1ヶ月検診が終わって、母子の健康チェックが済むと行動の範囲が広がります。
ベビーバスでの沐浴の時期もすぎ、大人と一緒のお風呂にも入ることができるようになります。
お散歩なども是非とりいれたいもの。

ここでは、発達心理学に基づいた生後1ヶ月の赤ちゃんの発達と、具体的関わりかたををご紹介します。

 

出典:写真AC

生後1ヶ月の赤ちゃんの特徴

生後1ヶ月の赤ちゃんは、少しずつ起きている時間が長くなっていきますが、個人差があり長く寝る子もいれば、細切れに寝る子もいます。
まだまだ、昼夜の区別はないので、赤ちゃんのペースに合わせてのお世話が基本です。

ママも精神的・体力的につらい時ですが、うまく休息をとったり、周りの助けを借りながら乗り切りましょう!

泣き方のバリエーションってあるの

たとえば、おむつが濡れているとき、お腹がすいたとき、暑い寒い時、甘えているときなど、泣

き方に違いが出てくる赤ちゃんもいます。


よく観察して、その違いが分かるとお世話もしやすく、また赤ちゃんも通じていると感じ発達も促されます。

手足を盛んにバタバタさせるー何か意味があるの

生後1ヶ月ころになると、手足をバタバタさせるのが盛んになります。
ママを見たとたんバタバタさせてり、泣きながらバタバタさせているときは、欲求をママにアピールしているサイン。この時期になると、よくグズる子、おとなしい子、おっぱいの飲み方が上手や下手な子の特徴もでてきますので、しっかり観察してみて赤ちゃんとコミュニケーションをとってみて下さいね。

反対に機嫌の良いときにバタバタしているときは、自主的に運動機能のトレーニングをしていると言われています。もちろん赤ちゃんが「手足のトレーニングしよう!」と思ってしているのではなく、自分の体が動くこと、その感覚、バタバタさせたときに出る音、あらゆる刺激が新鮮で興味深く遊びなのです。このような時はしばらく様子をみたり、「たのしいねー」などと話しかけたりしてみて下さいね。

クーイング出始める子もー上手に応えたい!大切なこと

クーイングとは、赤ちゃんが吐いた息と一緒に出る音で、舌や唇を使わず喉の奥で「あー」や「うー」などの母音を発することです。機嫌が良いときに出るので「プレジャーサイン」とも言われています。声が出せることを楽しんで遊んでいるようです。

早い子では生後1ヶ月くらいから出始め、生後3ヶ月ではほとんどの子がクーイングを始めるとされています。
口や喉の発達がすすみ、泣き声や笑い声とは違う初めて赤ちゃんが発する言葉。急速に発達するこの時期は、クーイングの時期も意外と短いもの(出始めてから1~2ヶ月)この時期だけのかわいい発声をたっぷり楽しんで下さいね。

クーイングが始まったら、ママもそれに応えてあげましょう。コミュニケーションをとることで、その後の言葉や脳の発達がスムーズになると言われています。

では、どんな風に応えればいいのでしょうか。
それはとても簡単です。赤ちゃんの「あー」「うー」に応えてそのまま、オウム返しで「あー」「うー」と言うだけです。
クーイングの「キャッチボール」をすることで、発声に必要な口や喉の発達が進み、言葉の発達に繋がります。そして、相手と通じ合うことを覚えていきます。

赤ちゃんは、自分のことを真似てくれる経験をして相手との信頼関係が得られ、そして自分も相手のことを真似てみようかなという発達段階を踏むと言われています。

何にしても赤ちゃんは楽しいのが大好き!家族みんなで、いっぱいクーイングの「キャッチボール」をして話す楽しさを味わわせてあげて下さいね。

また、マザリーズ(母親語)で語りかけると赤ちゃんも聞き取りやすく真似しやすいので、「あーだねぇ」「うーだねぇ」「じょうずにいえたねぇ」などと、どんどん話しかけましょう。

マザリーズとは「やや高め・ゆっくり・抑揚たっぷり」に赤ちゃんに語りかける話し方のこと

共鳴動作でわかる準備完了のサイン

生後1ヶ月くらいになると固視ができるようになり、ママが口を開けたり、舌をだしたりすると赤ちゃんが真似をしたように舌を出したりします。これは「共鳴動作」または「新生児模倣」といって、赤ちゃんが意図的に行うものではなく、反射によるものです。

真似を繰り返すことによって、2~3ヶ月ころになると意識的に真似をしようとする行動によって消えると言われています。

「共鳴動作」が出だしたら、物を見る準備ができたよーというサイン。ママもいろんな表情を見せてあげて下さい。
ただし赤ちゃんの個人差は非常に大きいです。真似をしない赤ちゃんや、微かにする赤ちゃん、好きな顔真似だけする赤ちゃんなど様々です。「するかな~」くらいのスタンスが丁度いいと思います。様子をみて1回でしなくても何回か繰り返ししてみて下さいね。
真似をすることによってどんどん顔の筋肉を上手に動かせるようになり表情豊かになります。そして”感情”も豊かに発達させていきます。

発育・発達の目安

全体的にふっくらした体つきになってきます。

男の子 身長 55.6cm 体重 4,790㌘  
女の子 身長 54.6cm 体重 4,470㌘

視力 0.01~0.02(30㎝くらいで顔や丸などの単純な形。白黒灰色に加えて赤などの
         はっきりした色もわかりやすくなる)

聴力 まだ音の認識はまだないが、音には反射する(モロー反射)

 

ここに表した、特徴や発育・発達はあくまで目安であり、成長の度合いはひとりひとり大きく異なります。参考程度にとどめ、あまり気になる時はかかりつけ医などに相談してみましょう。

生後1ヶ月ー赤ちゃんの発達課題と遊び

乳児期(0歳~1歳半ころ)の発達課題は基本的信頼感です。そして対極にあるのが不信感です。
詳しくはこちら→基本的信頼感/不信感

生後1ヶ月たつと、徐々にママの体力も回復してきて、手探りながら赤ちゃんとの生活にもリズムがつき始めている頃かもしれません。

スキンシップ&体遊び

この月齢も特定の相手とのアタッチメント(愛着)形成の時期、たっぷり愛情を掛けてあげて下さいね。

ここでは、いくつかのスキンシップと体遊びをご紹介します。ひとつの遊びでもバリエーションはいろいろあります。それぞれの親子にあった方法で取り入れて、楽しく遊んで下さいね。

 

  1. ゆーらゆら~・・・寝転んでいる赤ちゃんの30㎝くらいの前で赤や黒などのはっきりした色のおもちゃなどを左右にゆっくり動かす(視力の強化ー追視の練習)
    バリエ:ママがゆっくり動いて「こっちだよー」
       :抱っこしたとき頭をゆっくりゆらす
       :一人遊びにはメリーも効果的
  2. 電車が走ります♪・・・あかちゃんを沐浴のときにひっくりかえすのと同じ動きで、うつぶせ寝にしてママの指先で赤ちゃんの背骨を首から腰へ優しくさする。少しの間頭を持ち上げれるようになる。(首すわりやその後の体のバランスを取るために大事)
    ポイント:固めのマットの上などで、短時間行う
        :口がふさがれていないか注意して
        :バリエとしては、声かけを「車が走りますー」「散歩ですー」など
  3. あーくしゅ、あくしゅ・・・赤ちゃんの5本の指でママの小指をギュッとにぎらせる(手や指先の運動や機能の発達を促す。)
    ポイント:赤ちゃんの5本の指でしっかり握らす。(弱かったら、一度手を伸ばしてから
         再度握らせる。
        :左右ともまんべんなく行う
        :バリエとしては、赤ちゃんの手の中に入るくらいの、お手玉やスポンジ、毛糸
         の玉など様々な素材を握らす(手をなめはじめたらやめる)
  4. 何の音かな・・・音の鳴るおもちゃを遠くから少しずつ赤ちゃんの目の30㎝くらいまで近づけて鳴らす。(耳からの情報から脳への刺激を与える)
    ポイント:いろいろなものを見たり、音を聞かせてりして五感を発達させましょう。
        :バリエとしては、雨の音を聞かせたり、風鈴や虫の鳴き声など自然界の音も
         「何の音かな」と遊んで見て下さい。
  5. 絵本の読み聞かせ・・・このころの赤ちゃんはまだあまり見えていません。でも、ママの声は大好き!丸や三角、四角などの単純な絵や顔の絵などで、はっきりした色がおすすめです。(目や耳、感受性の発達。親子の絆が生まれる等)
    ポイント:ママがストーリーをつくったり、様子をみながら、赤ちゃんが反応したらまた
         それに応えたりしてストーリーを広げてみるのも楽しいです。
  6. お散歩・・・少しずつお散歩も始めて見て下さい。最初はベランダや家の周りを1周から。風の音や鳥の鳴き声、車の音、外にはいろんな音があります。また、においもいろいろありますね。家の中にばかりいてはもったいないです。(昼夜の区別、五感の強化、体温コントロール神経の強化等)
    ポイント:ママは頑張って四六時中話しかけなければいけないということではありま
         せん。赤ちゃんもボーとしたい時もあるし、頭の中で考えている時もありま
         す。様子を見ながらママもお散歩を楽しんで下さいね。
  7. その他・・・音楽にあわせてリズム遊びをしたり、クーイングのしあいっこで会話遊びや、ベロベロバーで表情遊び(共鳴動作)など

まとめ

生後1ヶ月たって、赤ちゃんのいる生活や、少し気持ちに余裕が出てきた人は、この時期に家族で子育ての軸や方針を話し合ってみては。
親子の関係は一方通行ではなく双方向が大事ですが、夫婦の関係にも、もちろんそれは大事です。まだ言葉のしゃべらない赤ちゃんには、一生懸命気持ちを通じ合わせようとしても、意外と言葉の通じる大人同士ではそれが出来ていないことがあります。
パパをのけものにせず、夫婦が同じ方向を向いていることが赤ちゃんにとっても必要です。

とはいっても育児に対しての情報はやはり、ママのほうが詳しいことが多いです。
どうして自分はこうしたいのか、こう思うのか丁寧にパパにプレゼンしてみて下さいね。そしてパパの意見も聞きつつあなた達だけのオンリーワンの子育て方針を見つけて下さい。
難しいけど、子育てをしていく中で少しずつ舵取りしていければいいですね。

分かっているだろう、分かってくれているだろう。ではなく言葉に出して話し合ってみて下さいね。