生後9ヶ月 赤ちゃんの発達と関わり方

生後9ヶ月の赤ちゃんは、ママへの愛着がいっそう強くなり、後追いする赤ちゃんが増えてきたり、ママの声や表情から喜んでいる、怒っているなどの感情ががわかるようになってきます。これは情緒がどんどん発達してきている証拠です。

ここでは、発達心理学に基づいた生まれたての赤ちゃんの発達と、具体的関わりかたををご紹介します。

出典:写真AC

生後9ヶ月の赤ちゃんの特徴

生後9ヶ月は体もしっかりしてきて、つかまり立ちができる子も出てきます。
また、「イヤイヤ」「バイバイ」など、大人のまねをするなど精神面も発達していきます。

つかまり立ちをする赤ちゃんも

生後9ヶ月ごろになると、手のかかる高さにテーブルなどがあり、その先に気になるモノを見つけると「あのモノに触りたい」「あれは何だ」という好奇心や探究心が生まれます。

ハイハイで鍛えた両手でテーブル面に手をつき、上体を持ち上げると、腰が浮いてひざ立ちの姿勢ができ上がります。すると、目的のものはすぐそこに!さらに近づこうとして、つかまり立ちをするようになるのです。

また、ベビーベッドなどにサイドガードなどをつけていると、目が覚めた赤ちゃんは外の世界がわからずに、「何か外の世界から声がする」と興味が沸き、ベビーベッドの柵に手をかけて立っちするようになることも。

つかまり立ちしだすと、つたい歩きから一人へとどんどん発達していきます。
安全対策も万全にしてあげて下さいね。

一人遊びができるように

集中力もついてきて、車やボール、音の出るおもちゃなど、気にいったおもちゃがあると、ひとしきり集中して遊ぶようになり、夢中になるとひたすら同じことを繰り返すことも。

おもちゃに限らず、周りにあるものは全て興味の対象。また、指先を上手に使えるようになるので、おやつのボーロなども上手につまんで食べることができます。ティッシュの箱から紙がなくなるまで引き出すのも、このころ夢中になる遊びです。


大切なものや散らかされたくないものは、あらかじめ赤ちゃんの手の届かないところに置きましょう。また、なんでもつまむことが出来て、それを口に持って行ってしまう月齢でもあるため、タバコや吸い殻、薬品、アクセサリー類、コイン、電池など、誤飲の危険があるものはないかいつも点検するようにしましょう。

簡単な指示がわかるように

一人遊びでじっくり遊ぶのも大事ですが、人との関わりを楽しみながら言葉の力をつけさせたい時期でもあります。

自己主張も激しい時期ですが、「ダメ」もわかるようになったり、名前を呼ばれると手を上げて応えたり、「バンザイ」や「おててパチパチ」、まねっこ遊びなど相手の反応が見える遊びが大好き。話しかけながら、やりとりを楽しむことで、コミュニケーション力や言葉の発達がさらに促されるので、たっぷり関わってあげることも大事です。

離乳食も後期カミカミ期に(3回食)

1日2回の離乳食が順調にすすみ、昼間の授乳も少しずつ減って、豆腐などやわらかいかたまりを、口をもぐもぐ動かして食べるのがみられてきたら、回数を3回に増やしていきます。硬さはバナナくらいの、歯ぐきでつぶせる程度のものを。
中にはそのまま飲み込んでいる子も。丸飲みしているようなら硬すぎてつぶせないのかもしれませんから、柔らかさを調節してあげて。

この頃は、食物繊維の多い野菜以外はほとんど食べることができます。また、全卵が食べられるようになれば、マヨネーズも使用できます。
自分で食べたい気持ちが強くなってくるので、手で持って食べられるものをメニューにプラスして、手づかみ食べが出来る環境を整えてあげて。手づかみ食べは食べ物の感触や温度など五感を刺激できます。
煮た野菜やパンをスティック状にしたものや、小さなおにぎりがおすすめです。

離乳食の量と回数が順調に進めば、栄養の多くを離乳食から得るようになります。このときも母乳は、ほしがるだけあげましょう。ミルクは缶に記載された量を超えないよう確認しましょう。

食べる・飲む量が共に少なかったり、離乳食の食べムラ(好き嫌い)があったりして、鉄不足などが心配される場合には、フォローアップミルクを飲ませてフォローします。
フォローアップミルクは、離乳食で不足しがちな、ビタミンや鉄分などが強化されているミルクです。 母乳不足を感じたり、離乳食の好き嫌いが激しく、栄養の偏りが心配されるような場合には、「栄養補助食」として、飲ませてみることも検討してもよいでしょう。 フォローアップミルクは「生後9ヶ月から」とされているものが多いですが、離乳食が3回になったときが目安です。

また、3回目の食事が遅くならないよう起床や就寝時間に気をつけて
3回目の食事はできるだけ19時までには食べ終わるよう、生活リズム全体を見直しましょう。

1日3回になるとママは離乳食のメニューや準備に追われる感じがします。大人用に調理したものを活用したり、アレンジしやすい形でまとめて作っておいて冷凍保存しておくなど、効率よく作れるような工夫をすると、負担が軽減されます。

また外出時に離乳食を与えるシーンも増えてきます。サンドイッチややわらかくゆでた野菜スティックは、外出時でも食べさせやすくおすすめです。
市販のベビーフードも活用して。離乳食を準備する時間がないときや、夏の暑い時期など衛生面で食事の持ち歩きに不安があるときなどにも便利です。

発育・発達の目安

男の子 身長 71.8cm 体重 8,700㌘
女の子 身長 70.4cm 体重 8,170㌘

視力 0.1(ママやパパの動きをだんだんとまねするように。絵本にも興味がでる)

聴力 聞こえた音をもとにして、徐々に言語を発するように

ここに表した、特徴や発育・発達はあくまで目安であり、成長の度合いはひとりひとり大きく異なります。参考程度にとどめ、あまり気になる時はかかりつけ医などに相談してみましょう。

生後9ヶ月の赤ちゃんとの遊び

乳児期(0歳~1歳半ころ)の発達課題は基本的信頼感です。そして対極にあるのが不信感です。
詳しくはこちら→基本的信頼感/不信感

生後9ヶ月はハイハイも素早く出来るようになり、行動範囲が広がり興味のあるものへとどんどん進んで行きます。

スキンシップ&体遊び

生後9ヶ月ごろの赤ちゃんとの遊びは、体を十分動かせる「運動遊び」がオススメです。

ここでは、いくつかのスキンシップと体遊びをご紹介します。ひとつの遊びでもバリエーションはいろいろあります。それぞれの親子にあった方法で取り入れて、楽しく遊んで下さいね。

  1. トンネルのむこうに・・・ママはハイハイのポーズで赤ちゃんの反対側におもちゃなどをおき「○○ちゃん、おいで~」といっておもちゃを揺らしてみて、ママの下をくぐるようにする。
    バリエ・・・机や椅子などをトンネルにしても。

  2. ゴロンゴロン・・・赤ちゃんを抱っこして寝転がり、ギューと抱っこしたまま、右へ左へゴロンゴロン(バランス感覚)
    バリエ:抱っこして、今度は起きたり寝転がったり

  3. キャッチボール・・・赤ちゃんに向かって大きめの柔らかいボールを「行くよ~」と言ってゴロンと転がす。赤ちゃんがキャッチ出来たら褒めてあげて、「こっちこっち」と赤ちゃんに返してもらうようジェスチャーする。
    ポイント・・・大人が2人いるときは、始めにお手本をみせてあげて。

  4. 山登り・・・ハイハイで小さなお山に登る遊びです。運動能力に合わせて高さを変えて楽しみましょう。
    布団や、座布団などを重ねて小さなお山をつくり、登り降りする(全身運動)
    ポイント・・・まずママがお手本を見せてあげて
        
  5. その他・・・絵本の読み聞かせ、お散歩、リズム遊びなど引き続き取り入れて下さいね。

まとめ

生後9ヶ月は心身の発達が進む時期。ハイハイやつかまり立ち、離乳食の手づかみ食べなど、赤ちゃんのやりたいという欲求や探究心をできるだけ叶えてあげることが、発達を効果的に促すことになります。安全に注意しながら、日中は活発に活動させてあげて下さいね。

離乳食が3回食に進んだら、少しずつおとなと同じくらいの食事時間に近づけていきましょう。毎日は難しくても休日など1食でも家族で同じ時間に食べれるよう工夫し、より食の楽しさを味合わせてあげて。